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踊るあほう
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夏休みが終わるまでにほぼ完成まで持っていきたい、オリジナルの話ですね。
持ち込み先はアフタヌーンと月刊IKKIです。頑張ります。

もう一個考えていた、「虫けら星」という話があったんですが、
誰に話しても、面白くない。テーマわからなっすいん。
と大評判なので、挫折したという。(吐血)

まぁただのオリジナルの話なので、へぇーぐらいで流して頂けると嬉しいです。

候補をいくつか書きます。



「安助の腕」 

テーマ 人の腕は一体なにを掴む為についているのか。

あらすじ



安助は腕の良い盗人である。
手先が驚く程器用な上にずる賢く頭がまわる。ある晩仲間数人と酒盛りをしていたが、役人達に強襲され命からがら逃げきる。
安助が夜明けまで隠れようと選んだのは小さな境内の本堂の中であった。
息を殺して潜む安助の目の前に、何故か一匹のがまが忍び寄る。
気味悪く見つめているとガマが口を開いた。

「お前は早くに母もなくして、父親ものんだくれであった。私はお前がたいそう哀れに思えたので、人一倍器用に動く手をつけてやったのだ。
だのに、お前はその手を働く為に使わない。
物を盗んで人からむしり取る為に使う。
そんな腕はいらない。
そんな腕はいらない。」

ガマはネチャネチャと湿った口でこういった。

安助はもうすっかり青ざめて右手を大きく振り上げると、ガマを叩き殺してしまった。
とたん両腕に激しい痛みが走りやすすけが悲鳴をあげた。

あまりの痛みにのたうち廻る安助に、つぶれたはずのガマの声が再びかかる。

「そんな腕はいらない。」

やすすけはすっかり肝をつぶして、自分が追われている身なのも忘れて夜の森へと逃げ去った。

その日から安助の生活は一変した。

あの晩から効き腕がぴくりとも動かなくなってしまったのだ。
泥水をすすりながら、また畑の野菜を盗みながら歩き続け、隣の港町を目指したが、あまりの空腹に目がかすむ。
朦朧とした意識の中で、歩いていると前方に人影が二つ見える。

老婆と幼い孫が道の端に座り込んでいる。

しめたと思った。
他に人気はないし、弱った老婆と幼子であれば、腕が使えなくとも、荷を脅し取るのは安い。

安助は二人に近づいた。
足音に気がついた老婆が顔を上げる。

「あっあ、わたしはお里と申します。この子は孫の梅吉と申します。
足をくじいて難儀しておりました。この婆はもう動けません。大変不作法ではありますがどうか、この子を隣の町の母親の元へ連れて行ってやっては頂けませんか。」

男が目の前に立っているのに、あらぬ方向を見て頼んでいる。

「目がよくないのか」
「二日前辺りから、よくかすみます。」

梅吉と呼ばれた子供はめそめそと泣いて、必死に婆の袖を握りしめている。
安助はふと母が病に伏した時の事を思い出した。
雲ひとつない晴天の日に、雨がうるさくて眠れないと泣く母に、おそろしいことはないのだとなだめて聞かせた。




「…もう一山越せば、町につける。気の弱い事を言うな。」
「それ、貸せ。」

安助は二人が持っていた風呂敷布を見つけると、ぐるぐると自分の背にくくりつけさせて、お里を背負った。
歩き始めると、梅吉がにこにこしながら、今度は安助の袖を握ってついて来る。

くたびれたはずの足が何故か軽くなった。

その晩、山小屋を見つけて三人で暖を取った。
お里と梅吉は幸い食糧だけは持っていた。
腕の不自由な安助に、梅吉がかゆを口へ運んだ。
お里も安助の腕を気の毒がって、「あれ、傷だらけの手だ。苦労したんだねぇ。さすってよくならないものかねぇ。」と、言いながら、しきりに安助の腕を揉んだりした。

安助は、口を引き結んでじっと動かなかった。
大きな声をあげて子供のように泣きたかった。


次の日、三人は無事、町に着いた。

お里は安助に家で手厚く礼をさせてほしいと言い、安助はそれを断った。

「どうして…?」
「…追われている。人目につきたくない。」

お里は悟った。

できる限りの路銀を安助の懐へ、入れてやると。「身体に気をつけて。」と言った。

三人は別れた。
しかし安助が背を向けて数歩も歩かないうちに、うしろから男のどなり声が響いた。
見ると、数人の若い侍が、お里と梅吉を取り囲んでいる。
酒を飲んでいるようだ。

「やいお前!刀を足蹴にするとはどういう了見だ!!」
「申し訳ございません。孫は長旅で疲れて…足がよろけたのでございます。」
「知った事か!子供とて容赦はせん!」

必死に命乞いをするお里を見ながら、男たちは言葉とは裏はらに、にたにたと薄汚い笑みを顔に貼り付けている。

二人を斬るつもりである。

安助はさっと辺りを見まわした。
役人もおらず、人々はおののいて助けに入る気配はない。

目の前の屋台に目が行った。


侍がまさに刀を抜いて二人へ振りおろそうとしたとき、
ひょっとこの面をつけた安助が、大声で割って入った。

「やややや、待たれよ。わたくしは乞食にござる。しかしこの乞食ただの乞食にあらず。踊りも歌も心得ておりますぞ!」
…訝しがって侍が一歩退いた。

安助がいっそう声を張り上げる。

「盗みを働くえてこうが居りました!キキキッかんざしを、かわいいあの子の御髪に飾ってやりたい。けれどもせっかく盗んできても、あれあれ、おさるの娘の髪は短いぞ!いがぐり頭の坊主のように短いぞ!キキキこりゃまいった!」


唖然として事の成り行きを見守っていた町人たちも、安助が飛んだりはねたりしながら、こんな調子でうたうので、しまいにはみんな笑いだした。
つられて人がどんどん集まってきたので、侍達が焦りはじめた。

すると騒ぎを聞きつけて、しまいに役人達がやってきた。侍達が悪態をつきながら逃げてゆく。

安助は気が抜けてその場にへたりこんだ。

お里と梅吉は泣きながら安助に飛びついた。
役人達も面をかぶった安助に気付かず、人払いをするといなくなってしまった。

殴りつけるのでも、むしり取るのでもなく、俺の腕が、こうして誰かを抱き寄せる為についてたと言うのだろうか。

「…あたたかい。」

犬が一匹、首をかしげて「ギッ」と鳴いた。








「虫けら星」テーマ ものの哀れ

あらすじ

自分の家の離れに同居する肺を病んだおじとその看護をする清子。
一見変わり者のおじだったが、いつも不思議な話を聴かせてくれるおじを清子は心から慕っていた。ある晩おじから「虫けら星」の話聞く。


まぁ面白くはない。
かもしれない。華もない。ないね。ないけど…そんなに悪い話とも思ってなかった(がーん)
打率は確かにあまりよろしくなさそうです。

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